トランプ大統領が暴動めぐり演説、軍投入に言及
(CNN) トランプ米大統領は1日、黒人死亡事件をきっかけに全米に広がる抗議デモと暴動をめぐり国民に向けて演説し、制圧できなければ軍を投入すると表明した。
トランプ氏はホワイトハウスの庭園ローズガーデンからの演説で、自身を「法と秩序の大統領」と呼び、暴力行為を「国内テロ行為」と非難。各地の州、市当局が「住民の生命と財産を守るために必要な行動」を取らなければ「私が米軍を送り込み、代わりに問題を素早く解決する」と表明した。
トランプ氏はさらに、「大統領として最優先の任務は素晴らしい母国と国民を守ることだ」と語り、あらゆる権限を駆使して暴力行為を止めると強調。秩序回復のために、重装備の兵士や警官らを「何千人も」展開させると述べた。
その一方で、自身は「あらゆる平和的な抗議行動の味方」だとも宣言した。
だが演説の間も上空にはヘリコプターが飛び交い、ホワイトハウス前では警官が催涙ガスや閃光(せんこう)弾、ゴム弾を使って平和的なデモ隊を解散させた。
トランプ氏は演説の後、ホワイトハウスから徒歩で近くの教会へ向かった。教会には側近らとともに数分間滞在し、カメラの前で聖書を掲げるポーズを取った。
抗議デモが広がるなか、トランプ氏はソーシャルメディア上で「略奪が始まれば銃撃が始まる」などと発言し、暴力をあおりかねないとの懸念が指摘されていた。
1日午前に開いた各州知事との電話会議では、一部の州の対応を「弱腰」と非難していた。