トランプ大統領の支持率低下、共和党内に懸念の声も
(CNN) 新型コロナウイルスの感染拡大や、黒人男性の死亡事件に起因する混乱に対する誤った対応などでトランプ米大統領の支持率が低下する様子を目にして与党・共和党の上院議員は政治的な後遺症が11月の選挙での破滅的な結果につながるのではないかと懸念している。
多くの共和党員は、浮き沈みの激しい今年、態勢を立て直すにはまだ十分な時間があると考えている。特に先ごろ発表された失業率に関する数字は景気回復を示唆するものだった。
それでも、各種の世論調査で、トランプ大統領が民主党からの指名を確実にしているバイデン前副大統領に差を付けられていることにも気が付いている。しかもその差は連邦政府の過半数を握ることも可能なほどの大差だ。
共和党員が痛感しているのは、トランプ大統領が国内が危機的状況にあっても一貫して論争を引き起こすことだ。ホワイトハウスの周辺で警官とデモ隊が対峙(たいじ)したほか、バッファローで負傷した高齢の男性について根拠のない投稿を行っている。こうした状況のなか、選挙の年に共和党員は守勢に回っている。
共和党のコーニン上院議員は世論調査について懸念しているかとの質問に対して、していると答えた。そして、新型コロナウイルスの感染拡大や黒人男性死亡事件などにより今年は厳しい年となっているとも述べた。そのうえで、選挙戦までまだ数カ月あり、景気も良くなる兆しをみせていることから、「まだ、ある程度は楽観視している」と語った。
共和党上院議員の中からは、トランプ大統領に対して、より公の立場に立ち、国内の癒やしや国民の団結を促す発言を増やすよう求める声も出ている。一方で、トランプ大統領は発言よりも周囲の声により耳を傾けるべきではないかとの意見もある。
世論調査ではトランプ大統領はここ数カ月、支持率を下げている。共和党議員がより気にしているのは投票行動に関する世論調査かもしれない。ウォールストリート・ジャーナル紙とNBCの調査によれば、民主党が過半数を押さえた議会のほうがいいとした有権者の割合が11ポイント多かった。これは、2018年の中間選挙で民主党が下院の過半数を獲得したときと同様の水準だった。