公園で運動中のフィリピン系女性に嫌がらせ、差別動画が拡散 米
(CNN) 米カリフォルニア州南部の公園でこのほど、年配の女性が運動中のフィリピン系米国人女性に差別的な言葉で嫌がらせをする様子が撮影され、インターネット上で拡散した。米国では人種差別行為を捉えた動画がSNSで広く共有される例が相次いでいる。
動画には女性がFワードを交えて「ここから出ていけ。この州から出ていけ。どこでもいいからアジアの出身国に帰れ」とののしる様子が映っている。
この動画は沿岸部の都市トーランスで10日に撮影されたもので、ネット上で数千回視聴された。年配の女性は、運動するために階段をふさいだとして、自分より若いフィリピン系米国人の女性を怒鳴りつけている。
年配の女性が「ここはあなたの場所じゃない。あなたの家じゃない。ここにいて欲しくない」などと叫ぶ様子も確認できる。
被害女性は以前、ソーシャルメディアで同じような人種差別行為を見聞きしたことがあったものの、自分の身に起きるとは思ってもいなかったという。米国ではミネソタ州で黒人男性が警官によって殺害された事件を受け、人種差別に抗議するデモが各地で続いている。
被害女性は「私はただ自分のことに集中していただけ」と説明。「まさか自分の身にこんなことが起きるなんて。自分のことに集中していれば何も起きないと思っていた」と振り返る。
この女性はハワイで生まれ育った。トーランスにはハワイを彷彿(ほうふつ)させるところがあって「故郷」と呼んでいたが、「もう安全とは思えない」「外出もしたくない」と語っている。
トーランス警察はCNNの取材に、この女性から11日に被害届の提出があり、現在捜査を進めていると明らかにした。
国勢調査のデータによると、トーランスは人口の36.6%がアジア系。米国で日系米国人が最も多い都市の一つとなっている。