欧州などで反差別デモ続く、英南部で奴隷商人の像を破壊
ロンドン(CNN) 米国で始まった黒人差別への抗議デモは7日も欧州など多数の都市で続き、英イングランド南西部ブリストルでは17世紀の奴隷商人の像が破壊された。
ロンドンでは7日、米大使館前に数千人が集結し、「正義なくして平和なし」「黒人の命は大事」というスローガンがほぼ終日、街に響き渡った。
これに先立ち、同市中心部の広場で6日に実施された平和的なデモは夜になって過激化し、警官隊と参加者らが首相官邸前でもみ合ったり、騎馬隊の馬が暴走したりする場面もあった。
カーン市長は7日、デモ隊への支持を表明したうえで一部による暴力を非難し、新型コロナウイルス感染を防ぐための行動制限を参加者らに呼び掛けた。
デモは英北部スコットランドのエディンバラでも実施された。イングランド南西部の都市ブリストルでは、中心部に建っていた奴隷商人の像をデモ隊がロープで倒し、大きな歓声が上がった。この像は1895年に建てられたが近年は批判の声が強まり、撤去を求める運動も起きていた。
デモ隊に引き倒された17世紀奴隷商人の像=7日、英ブリストル/Ben Birchall/PA via AP
スペインの首都マドリードでは米大使館前に限ってデモが許可されていたが、デモ隊は制限を無視し、トランプ米大統領を「犯罪者」と呼ぶスローガンなどを叫んで中心部の広場まで行進した。政府発表では2000人、主催者によると4000人がデモに参加した。
ローマでも、新型ウイルスの感染拡大で人影が消えていた広場に数千人が集まった。デモ参加者の多くはマスクを着け、互いに距離を置こうとする様子がみられた。
米国旗を逆さまに掲げるデモ隊=ローマ/ALBERTO PIZZOLI/AFP/Getty Images
オーストラリアのシドニーでは新型ウイルス対策のためデモ差し止めの命令が出たが、直前の二審判決でこれが覆され、デモは決行された。