ボルトン前補佐官、トランプ氏にもバイデン氏にも「投票しない」
(CNN) 長年の共和党支持者であるボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は、11月に行われる米大統領選で、現職でかつての上司でもあったトランプ大統領にも、野党・民主党からの指名を確実にしているバイデン前副大統領にも投票しないとの考えを明らかにした。
21日に放送された米ABCの番組内で述べた。ボルトン氏はトランプ氏について、大統領職に適しているとは思わないと述べた。ボルトン氏は「トランプ氏が仕事を実行する能力を持ち合わせているとは思わない。保守的な共和党員だとも思わない」と語った。
ボルトン氏は「11月にトランプ氏に投票することはないだろう」としたほか、バイデン氏にも投票しないと付け加えた。
ボルトン氏は21日付けの英紙デイリー・テレグラフで、バイデン氏に投票するとの姿勢を示していたとされる。ボルトン氏の広報担当によれば、この記事は間違っているという。
広報担当によれば、ボルトン氏がバイデン氏に投票する計画だと述べたことはない。テレグラフ紙には訂正を求めているという。
ボルトン氏はテレグラフ紙の取材に対し、2016年の大統領選では、民主党候補だったクリントン元国務長官ではなくトランプ氏に投票したとした上で、トランプ氏を間近で見て同じことは出来ないとし、「私の関心事は米国に対するものだ。トランプ氏は私が戻りたいと考えている共和党の理念の体現者ではない」と述べていた。
取材はボルトン氏が今月23日に出版する回顧録の宣言の一環として行われた。
ボルトン氏は、トランプ大統領が共和党の体現者ではないため、バイデン氏に投票しても自身の共和党のルーツを裏切るものではないと主張した。
トランプ大統領と働いた経験を持つ国防関連の当局者の中でトランプ大統領への批判を公にした人もいるが、バイデン氏支持にまで踏み込んだ例はない。
トランプ大統領陣営はボルトン氏の発言について、本を売るために機密情報を暴露し、うそをつくこともいとわない姿勢を示したものだと一蹴。ブッシュ(子)元大統領もボルトン氏について信頼性に欠けると語っていたと指摘した。