米フェイスブック、トランプ陣営の広告削除 「ヘイト禁じる規定に違反」
ニューヨーク(CNN Business) 米フェイスブックは18日、ヘイト(憎悪)に関する同社の規定に違反したとして、トランプ大統領の選挙陣営の広告を削除したと明らかにした。広告は逆三角形の模様を用いたもので、「極左集団の危険な暴徒」を非難する文言も付されている。
ユダヤ系の人権団体「名誉毀損(きそん)防止同盟(ADL)」は同日、この逆三角形について「ナチス政権が強制収容所で政治犯の分類に使ったものと実質的に同一」と指摘した。
フェイスブックの広報はCNN Businessに寄せた声明で、削除理由を「組織的なヘイトを禁じる当社の規定に違反したため」と説明。「当社の規定では、禁じられたヘイト集団が政治犯の特定に用いたシンボルを、非難や議論する文脈なしに使うことを禁じている」とした。
削除対象となった広告の1つ/From Facebook
フェイスブックによると、声明で言及した「ヘイト集団」とはナチスのことだという。
選挙陣営の広告は極左集団「アンティファ」を標的にしたもので、同集団のテロ組織指定を求める大統領の姿勢を後押しするよう、トランプ氏の支持者に呼びかける内容。
広告に対する批判を受け、トランプ陣営は同日、赤い三角形は「アンティファによって広く使用されている」と主張していた。
トランプ陣営はCNN Businessの取材に対し、ポスターやステッカーなどの販売サイトへのリンクを提示した。アンティファの活動家がこのシンボルを身に付けた例には言及しなかった。
ADLによると、アンティファの一部の活動家がこのシンボルを使用したことはあるものの、特に広く見られるものではないという。