トランプ氏、中国の習主席に再選支援要請 ボルトン氏が著書で主張
ワシントン(CNN) ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)が新著の中で、トランプ大統領が中国の習近平(シーチンピン)国家主席に対し、2020年大統領選での再選支援を要請したと主張していることが分かった。CNNは17日、同書を1部入手した。
ボルトン氏によると、このやり取りがあったのは、昨年6月の大阪市での主要20カ国・地域(G20)首脳会議の場で行われた米中首脳会談でのこと。その際、トランプ氏は「驚いたことに」、会話を大統領選の話題に移したという。
ボルトン氏は、トランプ氏が「選挙での農家の重要性と、中国による大豆や小麦の購入量増大の重要性を強調した」と指摘。「トランプ氏の正確な発言を記したいが、政府による出版前審査の手続きで承認されなかった」としている。
その後、会話は通商協議の話題に戻り、トランプ氏は3500億ドル分の中国製品に対して関税をかけないことを提案した。だが、トランプ氏はそこで再び、できる限り多くの米農産品を購入するよう習氏に懇願したという。
トランプ氏は6カ月前、ウクライナに再選に向けた支援を求めたとして弾劾(だんがい)訴追されており、主要競争国である中国の指導者に再選支援を要請した疑いが今回浮上したことで、米政界で波紋を呼びそうだ。
ボルトン氏の著書は「The Room Where It Happened(原題)」との題名。同書を巡っては、ホワイトハウスとボルトン氏の間で数カ月にわたり法的な駆け引きが続いている。
トランプ政権は16日、ボルトン氏が秘密保持契約に違反し、機密情報の公開により国家安全保障を危険にさらしているとして、裁判所に出版差し止めなどを求める訴訟を起こしていた。