米国の新型コロナ感染者、1日10万人に増える恐れも ファウチ所長
ワシントン(CNN) 米国の新型コロナ対策を率いる国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は6月30日、米上院委員会で証言し、米国内の新規の症例数が1日10万人の水準にまで増えても驚かないと語った。
ファウチ所長は米上院の健康・教育・労働・年金委員会の公聴会で新型コロナウイルスの現状について証言し、「新規の症例数は現在のところ、1日4万例あまりで推移している。このままの状況が続いた場合、1日当たり10万人に増えても私は驚かない」と指摘して、強い懸念を示した。
ファウチ所長はさらに、大勢の人が密集状態で集まったり、マスクを着用していなかったり、再開のガイドラインが徹底されていない現状に対して失望感を示し、「これからもたくさんのトラブルが続くだろう。それを止めなければ、大きな被害が出る」と危機感をあらわにした。
米国内で6月26日に確認された新規の症例数は4万例を超え、1日当たりの症例数としてはこれまでで最も多かった。
「新規の症例の増え方を見る限り、われわれは誤った方向に進んでいる。この事態を何とかしなければならない。対応を急ぐ必要がある」とファウチ所長は述べ、「明らかに、現時点では完全に制御できていない」と言い添えた。
流行が終息するまでに米国内でどれくらいの感染者や死者が出るのかについては、正確な予測はできないとしながらも、「極めて憂慮すべき事態になるだろう。それは間違いない」と語った。
この日の証言では、ファウチ所長も米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長も、マスク着用の徹底を改めて促した。ファウチ所長は「マスクは極めて重要だ」と強調し、レッドフィールド所長は特に若者に対して、感染拡大防止のためのマスク着用を呼びかけている。