ハリケーンで被害のプエルトリコ、トランプ大統領が「売却」を検討 米紙報道
ワシントン(CNN) 米国土安全保障省の元高官は米紙ニューヨーク・タイムズの取材に対し、2017年のハリケーンで壊滅的な被害が出た米自治領プエルトリコについて、トランプ大統領が売却案を検討していたと語った。
プエルトリコがハリケーンに直撃された2017年9月当時に国土安全保障省の長官代行だったエレイン・デューク氏のインタビューは、10日のニューヨーク・タイムズ紙に掲載された。この中でデューク氏は、「大統領の当初の考えは、どちらかといえば実業家的だった」と振り返っている。
デューク氏によれば、トランプ大統領は「電力を外注できるのか。あの島を売却できるのか。あるいはあの資産を処分できるのか」と語ったとされる(同氏によると、トランプ大統領が持ち出したプエルトリコ売却案は、その後真剣に検討されたことも、論議されたこともなかった)。
プエルトリコはハリケーン「マリア」の直撃で壊滅的な被害が発生し、大規模な停電などの影響も続いた。死者は3000人近くに上った。
トランプ大統領は過去に、政権が災害復旧のために割り当てた数十億ドルの支援の管理をめぐってプエルトリコ政府を批判していた。2018年11月にはホワイトハウス当局者が議会指導部などに対し、大統領はプエルトリコ支援のための追加拠出を望んでいないと説明した。
トランプ大統領は一貫して、ハリケーン被害に対する政権の対応に問題はなかったと強調し、「素晴らしい成功だった」との認識を示していた。