米政府、17年ぶりの死刑執行 最高裁が前夜に承認
(CNN) 米連邦政府は14日午前、17年ぶりとなる死刑を執行した。連邦最高裁が前夜に、執行を認める決定を下した。
刑が執行されたのは中西部インディアナ州テレホートの連邦刑務所に収容されていたダニエル・ルイス・リー死刑囚。共有された取材内容によると最後の言葉は「自分はやっていない。人生で多くの間違いを犯してきたが、自分は人殺しではない。あなた方は無実の人間を殺すのだ」だった。
下級裁判所ではリー死刑囚の刑執行を一時的に差し止める命令が出ていたが、最高裁はこれを5―4の評決で退けた。
一時白人至上主義思想に染まっていたリー死刑囚は、一家3人を殺害した罪で有罪になっていた。当初の執行予定日は13日だったが、連邦地裁の判事1人がリー死刑囚を含む4人の刑執行について、執行に使用される薬物を巡り訴訟が起きているとしてこれを一時的に差し止める命令を出していた。
リー死刑囚の弁護士は14日、声明を出し「恥ずべきことに政府は、新型コロナウイルス感染が広がる中での今回の刑執行を妥当とみなした」と批判。弁護士が立ち会えない状況で、真夜中に急いで刑を執行したとの見方を示した。