危険物搭載の列車が脱線、火災 橋崩れ車両落下 米アリゾナ州
(CNN) 米アリゾナ州で29日、ユニオン・パシフィック鉄道の貨物列車が湖上に架かる橋の上で脱線して火災が発生し、1人が煙を吸い込んで手当てを受けた。
地元のテンペ消防局によると、列車は危険物を輸送していた。警察は住民に対し、非常に危険が大きいとして現場に近づかないよう呼びかけている。
米国家運輸安全委員会(NTSB)はツイッターを通じて調査に乗り出すと表明し、現時点では現場へ行かないと説明した。
橋の上の車両は炎上して黒煙が噴出し、橋の一部は崩落して車両が道路上に落下している。
現場近くで自転車に乗っていた女性はCNN系列局KTVK/KPHOの取材に対し、「橋の中央から湖に炎が流れ落ちていた」「本当に地獄のような光景だった」と話している。
ユニオン・パシフィック鉄道によると、列車はアリゾナ州トゥーソンからフェニックスに向かっていた。脱線事故は午前6時15分ごろ発生し、車両8~10台で火災が起きた。橋は今月9日に定期点検が行われていた。
この事故で1人が煙を吸い込んで手当てを受けた。列車の乗員にけがはなかった。
橋の下の地面にはタンク車3台が落下した。このうち2台には、ナイロン製造や溶媒として使われる可燃性で無色の油性液体シクロヘキサノンが搭載され、もう1台はゴム材料を搭載していた。
タンク車からの流出は起きておらず、火災も発生していないとユニオン・パシフィックの広報は話している。
消防局は、消防隊も見物人もできる限り現場から遠ざけて、危険物について詳しいことが分かるまで状況を見守っている。
脱線の原因は調査中で、連邦鉄道局の調査員が現場へ向かっている。