2つのハリケーンが連続直撃の恐れ、前例のない事態に厳戒 米南部
(CNN) 米南部のメキシコ湾沿岸部に2つのハリケーンが接近している。24日から26日ごろにかけてルイジアナ州に相次いで上陸する前例のない事態が予想され、気象当局は豪雨や暴風、高潮に警戒を呼びかけている。
熱帯低気圧の「マルコ」は23日、勢力を強めてカテゴリー1のハリケーンに発達した。24日にはルイジアナ州の沿岸部に上陸する見通し。
続く熱帯低気圧の「ローラ」も発達してハリケーンとなり、26日深夜か27日未明にルイジアナ州付近の沿岸部に上陸する見通し。
米国立気象局(NWS)によると、ローラはカテゴリー3のハリケーンになる可能性があり、米南部沿岸部では最大約3メートルの高潮も予想される。そのままの勢力を維持した場合、河川の水が内陸へと50キロ近く押し戻される恐れもある。
ルイジアナ州の一部では、25日夕にマルコが通過した後、26日朝にはローラの影響が出始める見通し。
同じ州が48時間以内に2度にわたってハリケーンに直撃されるのは前例のない事態だとNWSの予報官は述べ、「こんなことは現代の気象学史上、起きたことがなかった。2つのハリケーンが数マイル間隔で48時間の間に直撃するかもしれない」と指摘した。
ルイジアナ州の一部にはマルコの到来に備えて23日に避難指示が出された。続いてローラが接近していることを考えると、たとえマルコで被害が出たとしても、救助活動や電力の復旧作業を行う時間はないかもしれないと同州知事は警告している。同州ニューオーリンズでも洪水の恐れがある。
カリブ海の島国ドミニカ共和国は23日、ローラの影響で猛烈な豪雨に見舞われ、住宅や倒木などの倒壊で7歳の男の子を含む少なくとも3人が首都サントドミンゴで死亡した。ハイチでは10歳の女の子を含む5人が死亡している。