新型コロナの回復期血漿療法、米FDAが緊急使用許可
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は23日、新型コロナウイルス感染症患者の回復期血漿(けっしょう)を使った治療法に関する緊急使用許可を発表した。同治療法について判明している潜在的メリットの方が、潜在的リスクを上回るとしている。
FDAによると、これまでに7万人以上の患者が、新型コロナウイルス感染症から回復した人の血液を利用した血漿治療を受けてきた。
ホワイトハウスで記者会見したトランプ大統領は、「チャイナウイルスとの闘いにおいて真に歴史的な発表を行う。これで無数の命が救われる」「本日の行動は、この治療法の利用を劇的に増大させる」と強調した。
FDAは3月末の時点で、研究者が回復期の患者の血漿を使った試験的な治療をできるようにしており、既に新型コロナウイルス患者6万人以上に対してこの治療法が使われている。
しかし、ドナーを必要とする血漿の供給量は限られている。一部では有望な兆候が見られるものの、無作為の臨床試験に関するデータは存在せず、まだ進行中の臨床試験もある。
米紙ニューヨーク・タイムズが複数の政府高官の話として19日に伝えたところによると、FDAの緊急使用許可に対しては、米国立衛生研究所(NIH)の当局者が介入して待ったをかけていた。NIHのコリンズ所長や、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長などは、この治療法に関して浮上したデータはあまりにも弱すぎると指摘していた。