コロナ禍で家庭内暴力が増加、メキシコは倍増か 中南米諸国
(CNN) 世界保健機関(WHO)の米州事務局、汎米保健機構のエティエンヌ事務局長は22日までに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中南米諸国の一部の国などで家庭内暴力が増えていると報告した。
同局長によると、アルゼンチンでは家庭内暴力を訴える連絡件数が3分の1増え、メキシコでは昨年比で50%以上の激増を示したという。
報告されるのは少数の事例であり、実態はより深刻で、被害が各地で広がっている可能性があるとも指摘。被害者は自宅にこもり続け、支援施設などへの連絡も阻止され、友人や家族への接触もままならない境遇にあるとし、「我々は行き場がないこれら犠牲者を放置しているような状態にある」との懸念を示した。
エティエンヌ事務局長は記者会見で、新型コロナ予防策の自宅待機や社会経済的な影響で家庭内暴力のリスクは高まり続けているとも指摘。「家庭はもはや多くの人々にとって安全な空間ではない」と強調した。
中南米諸国では新型コロナの蔓延(まんえん)の急加速が目立っている。