トランプ大統領、ケノーシャ訪問へ 州知事の反対押し切り
ワシントン(CNN) トランプ米大統領が黒人男性銃撃の現場、ウィスコンシン州ケノーシャを訪問する計画に対し、同州のエバース知事は30日、再考を求める書簡を送った。しかしホワイトハウスは同日、訪問の予定に変更はないと発表した。
ホワイトハウスのディア副報道官は30日夜の声明で、ケノーシャからはトランプ氏の訪問を歓迎し、リーダーシップを切望する声が届いていると強調。トランプ氏は同市を9月1日に訪れ、街の復興に協力できる機会を心待ちにしていると述べた。
エバース氏はこの数時間前、トランプ氏あてに「あなたの来訪がわが街の立ち直りを妨げ、分断を乗り越えて共に前進する努力を遅らせるばかりとなることを懸念している」との書簡を送っていた。
同氏はまた「人々に模範を示し、苦しい心を鎮める存在となることが、われわれ公職にある者の務めだ」「分断を図る時ではない」と強調した。
トランプ氏が訪問する場合、当局は人員配置などの大幅な調整を強いられるとも訴えた。
これに先立ち、同州のバーンズ副知事もCNNとのインタビューで、トランプ氏がこれまで敵意や分断をあおる発言を繰り返してきたことを考えると、訪問が助けになるとは思えないと主張していた。
ケノーシャでは黒人男性が警官に撃たれて重傷を負った事件をめぐり、抗議デモが毎晩続いている。25日にはデモ現場での銃撃で2人が死亡、1人が重傷を負い、26日に17歳の少年が逮捕された。