トランプ氏、大統領選後の平和的な権力移行を明言せず
(CNN) トランプ米大統領は23日、11月に行われる大統領選をめぐり、選挙日の後に平和的な権力移行を行うかどうか明言しなかった。選挙で敗れた場合もトランプ氏が大統領職を手放さない可能性に一段と懸念が高まっている。
トランプ氏はこの日、平和的な権力移行を約束するかと問われ、「何が起きるか様子を見る必要がある」と答えた。
トランプ氏は2016年の前回大統領選と同様、今回もこれまで選挙結果を受け入れるかどうか明言を拒んできた。憲法で定められた2期を大幅に超えて職にとどまる可能性についてジョークを飛ばしたこともある。
しかし、トランプ氏が暴力を伴わない権力移行を保証しなかったことは、一段と踏み込んだ発言となった。反対派の間では既に、トランプ氏が国内のデモ鎮圧を目的に連邦法執行当局を動員したことに緊張が高まっており、今回の発言を受けて懸念が広がりそうだ。
トランプ氏は平和的な権力移行を約束しない理由について、投票不正の懸念があると主張。郵便投票の拡大が不正の温床になるという誤った主張を改めて展開し、「私が投票用紙について強く不満を表明してきたことは知っているはずだ。悲惨な状況だ」と述べた。
トランプ氏はかねて、民主党候補のバイデン前副大統領が勝つとすれば、選挙が「仕組まれた」場合のみだと主張しており、この日は、選挙結果は最高裁まで争われる可能性が高いと示唆する場面もあった。
全米規模の世論調査では現在、トランプ氏がバイデン氏にリードを許す展開となっているものの、激戦州はより接戦になっている。