米女子生徒が抗議、「ヒジャブ」理由に試合に出場できず
(CNN) 米南部テネシー州の高校に通う女子生徒が、イスラム教徒の女性が頭を覆うスカーフ「ヒジャブ」を着けていることを理由にバレーボール試合への出場を認められなかったとして、抗議の声を上げている。
同州の高校でバレーボールのチームに所属するナジャ・アキールさん(14)は今月15日、試合前のウォーミングアップ中に監督から、ヒジャブを着けて出場することはできないという審判の判断を聞かされた。
審判は根拠として、ヒジャブを着ける選手は州の中高スポーツ連盟から事前に許可を取る必要があるとのルールを挙げた。
ナジャさんは許可を得ていなかったが、それまでの試合で問題になったことはなかった。この日はヒジャブを脱いで試合に出るか、脱がずに出場を断念するかの選択を迫られ、後者を選んだという。
ナジャさんはCNNとのインタビューで「聞いたこともないルールに怒りと悲しみ、ショックを感じた」と振り返り、「信仰の一部としてヒジャブを着けるのにどうして許可が必要なのか分からない」と訴えた。
全米高校スポーツ協会(NFHS)の事務局長はCNNの取材に対し、同協会が指針として定めているルールはあるとしたうえで、各州が例外を設けることは可能だと指摘。ナジャさんのケースでは審判が出場を認め、次回から許可を得るよう注意するにとどめるべきだったと述べた。NFHSは今後同じ問題が起きないよう、ルールの修正を進めているという。
学校側も「時代遅れで差別的なルールだ」と反発し、州の連盟に例外規定を提案する構えを示している。