米国務長官「トランプ政権2期目に移行」発言、外交官から不満噴出
(CNN) 米国務省のポンペオ長官は10日の記者会見で、「2期目のトランプ政権に向けた円滑な移行があるだろう」と発言し、大統領選挙でバイデン前副大統領が勝利したことを認めなかった。
この発言に対し、海外で公正な選挙と平和的かつ民主的な政権移行を後押しする立場の米外交官からは不満が噴出している。
記者会見では、国務省はバイデン氏の政権移行チームに協力する用意があるのか、もし協力しないとすれば、国家安全保障上のリスクが生じる恐れはないのかという質問が出た。これに対してポンペオ長官は「世界が事の成り行きを見守っている」「我々は全ての票を集計する。その過程が完了すれば選挙人が選ばれる。この過程は憲法で明確に規定されている」と答えた。
選挙結果をめぐっては各国の首脳からもバイデン氏に祝意が伝えられているが、トランプ大統領は結果の受け入れを拒み続けている。
ポンペオ長官は、大規模な有権者の不正があったと確信しているのかという質問に対して「世界中から電話がかかってきている。そうした人たちは我が国の選挙を注視している。法的措置のことは理解されている」とかわした。
選挙結果の受け入れを拒むトランプ大統領の姿勢は、他国に対して自由で公正な選挙結果の受け入れを促している国務省の外交努力を揺るがしかねない。そのことを質問した記者に対してポンペオ長官は、「それは馬鹿げているし、あなたも馬鹿馬鹿しいと知っている。馬鹿げているから質問したんだろう」と応じた。
長官の発言について、CNNの取材に応じた海外駐在の外交官は「気分が悪くなる」「わざわざ私たちの仕事を台無しにしてくれた」と憤り、別の外交官は「どこまで本気なのか」「実際のところ、信じられないほど恐ろしい」と不安を口にした。