ペンス氏とトランプ氏が会話、議事堂への乱入後で初
(CNN) トランプ米大統領とペンス米副大統領は11日、6日のトランプ氏支持者による連邦議会議事堂への乱入後初めて会話を交わした。当局者2人が明らかにした。
高官1人によると、両氏はホワイトハウスの大統領執務室で面会した。会話は進み、過去4年間の政権の仕事ぶりや達成項目に触れつつ、今後1週間について話した。
この高官によると、先週議事堂を襲った人々は米国民7500万人が支持する「米国第一主義」を象徴していないとの話や、残りの期間を国のために職務を全うするといった話も出たという。
トランプ氏は先週末の大半は独りで過ごしていた。大統領専用別荘のキャンプ・デービッドに行く予定もキャンセルしていた。
トランプ氏は、自身があおった議事堂の暴動の影響で、ツイッターのアカウント停止や2度目の弾劾(だんがい)の可能性、閣僚の相次ぐ辞任などに見舞われたが、最も深刻な影響の一つは崩壊したように見えるペンス副大統領との関係だろう。
事情に詳しい情報筋は、ペンス氏がついに大統領の復讐(ふくしゅう)心をかいま見たと述べた。4年以上忠義を尽くしたペンス氏への対応には、ペンス氏周辺だけでなくトランプ氏周辺の人々も憤慨させた。
暴動や暴動に至るまでにトランプ氏がペンス氏に向けた怒りが2人の関係を破壊した。2人が最後に交わした会話では、ペンス氏がトランプ氏に選挙結果を一方的に拒絶できないと伝えた後、大統領に不作法な言動があったという。
この最後の会話で怒りを覚えたトランプ氏は、議事堂が襲われる前に開かれたトランプ氏支持者の集会で、ペンス氏が「今耳を傾けているばか者」を無視し、事をなす勇気があることを期待するとの発言をしていた。
ペンス氏は最近、トランプ氏を支持するシドニー・パウエル弁護士が、トランプ氏の共和党側近がペンス氏に対して起こした訴訟に参加していることを知った。事情に詳しい人々によると、トランプ氏はそれを知っているだけでなく、その取り組みを応援しているという。
ペンス氏の側近は議事堂が暴徒に襲われた後、トランプ氏が議事堂内にいた副大統領やその家族の安全を気に掛ける電話もしなかったことに驚がくしたという。ペンス氏は取り囲まれた議事堂で、法執行当局や国家安全保障の部局との連絡調整を行った。トランプ氏が沈黙を守っていたなか、暴動で死亡した議会警察の警官の家族に電話をしたのもペンス氏だった。
ペンス氏は副大統領としての最後の日々を、静かだが開き直った姿勢で過ごしている。ペンス氏に近い情報筋によると、同盟国や敵対国に米国政府が完全に機能していることを示すメッセージを送って過ごそうとしているという。