米上院、弾劾裁判の合憲性問う動議を棚上げ 共和党の造反は5人
ワシントン(CNN) 米上院で26日、共和党のランド・ポール議員がトランプ前大統領の弾劾(だんがい)裁判自体の合憲性を問う動議を提出した。動議は採決の結果、棚上げとなったが、共和党議員の大半がポール氏側につき、造反者は5人にとどまった。
過去の大統領を弾劾することが可能かどうかについては憲法に明確な文言がなく、専門家の意見も分かれている。ポール氏は、退任後の弾劾は憲法上認められていないと主張したが、この動議は55対45で見送られた。
採決で棚上げに賛成したのは民主党の全員と、共和党のミット・ロムニー、スーザン・コリンズ両議員ら計5人。上院共和党のトップ、ミッチ・マコネル院内総務はポール氏に賛同した。
弾劾裁判での有罪評決には3分の2以上の票が必要で、民主党全員と共和党少なくとも17人の賛成がなければ成立しない。
ポール氏は採決の後、共和党議員の95%にあたる45人が弾劾の合憲性を疑問視していることが分かったと強調。「これは我々にとって大きな勝利だ」「裁判は終わりだ」と述べ、弾劾不成立となることは最初から決まっていると主張した。
動議の棚上げには賛成したコリンズ氏も「計算すれば分かることだが、トランプ氏が有罪となる確率は極めて低い」との見方を示した。
上院共和党のナンバー2、ジョン・スーン院内幹事は、この日の採決によって裁判開始後の各議員の立場が拘束されるわけではないとする一方、共和党議員の大半が合憲性に疑問を持っていることは確かだと指摘した。
トランプ氏は議事堂乱入事件をあおったとして弾劾訴追されている。ポール氏は採決に先立ち、「演説の中で戦えという言葉を比喩的に使った政治家を全員、投獄しようというのか」と問い掛けた。