トランプ氏、弾劾裁判での証言要請を拒否
バイデン新政権の政策課題の審議を進める必要がある状況下で、民主、共和両党からは迅速な裁判を求める声が上がっている。
トランプ氏に証言を求める考えは両党の上院議員から批判が相次いだ。民主党穏健派のジョー・マンチン議員(ウェストバージニア州選出)はつまらない見せ物だと批判。同党クリス・クーンズ議員(デラウェア州)も「ひどい考えだ」と述べた。
トランプ氏に近い共和党のリンゼー・グラム議員(サウスカロライナ州)は「誰の利益にもならない」と述べ、ただの政治ショーだと批判した。
トランプ氏の証言が実現したとしても、それが結果に影響するかは不透明だ。上院では先週、前大統領に対する弾劾裁判は違憲で裁判をやめるべきだとの動議に共和党議員50人中45人が支持をしている。
下院は先月、トランプ氏が議事堂での反乱を扇動したとして訴追。2日に提出した裁判前の準備書面では、死者を出した議事堂での暴動について、トランプ氏が「単独で責任を負う」と主張した。トランプ氏が選挙は盗まれたとの虚偽の陰謀論を広めたことで、議事堂を襲撃し、平和的な権限移行の阻害を試みるように支持者を扇動したと言及した。
一方、トランプ氏弁護団も2日に準備書面を提出。トランプ氏はすでに大統領ではないため弾劾裁判は違憲だと主張。トランプ氏は暴徒を扇動しておらず、同氏の発言は合衆国憲法修正第1条で保護されるとも言及した。また、選挙に関するトランプ氏の主張が不正確だとは証明できていないとも述べた。