インフルエンザ感染者が激減、コロナ対策が奏功か 米CDC
(CNN) 2月の第2週といえば、例年はインフルエンザが全米で流行する季節。しかし米疾病対策センター(CDC)の統計によると、今年はほとんど流行が起きない状況が続いている。
インフルエンザの流行状況を表すCDCの全米地図は例年、2月前半は症例数の多さや増加傾向を示す赤一色になる。しかし今年はシーズンが始まって以来、緑一色の状態が続き、流行がほとんどまたは全く起きていないことを示している。
例年であれば数十万人がインフルエンザで入院しているが、今シーズン入院が確認されたのは155人のみ。子どもの死亡は前年同時期で78人に上ったが、今年は1人しか報告されていない。
「新型コロナウイルスの感染拡大防止策が、インフルエンザを含む他の病原体の拡散にも影響を与えたと思われる。世界的な旅行の減少や、テレワーク、学校閉鎖、ソーシャル・ディスタンシング、マスク着用といった対策が役に立ったのかもしれない」。CDCはそう解説する。
インフルエンザのほかにも、同じような呼吸器系の症状を引き起こすウイルスは何百万種類も存在する。しかし「他の呼吸器系ウイルスも、新型コロナを除けば非常に少ない状況が続いている」(CDCのリネット・ブラマー氏)。
それでもCDCはインフルエンザの予防接種の必要性を強調している。接種は今からでも遅くはないとブラマー氏は言う。
CDCによると、インフルエンザの感染者は年間930万~4500万人、死者は1万2000~6万1000人。入院は14万~81万人に上る。