上院共和党トップ、トランプ氏への無罪票を擁護 「憲法尊重した」
(CNN) 米上院共和党トップのマコネル院内総務は15日、トランプ前大統領の扇動により連邦議会議事堂への乱入が起きたと強く非難する一方、弾劾(だんがい)裁判で同氏を無罪とする票を投じた自らの判断についてはこれを擁護した。
マコネル氏は米紙ウォールストリート・ジャーナルの論説欄に寄稿し、「トランプ前大統領に道義的責任があることに疑問の余地はない」と主張。「トランプ氏の支持者らが議事堂に突入したのは、抑制の効かない虚偽の言説のためだ。同氏はそれらのうそを世界最大のメガホンを使って叫んでいた。混乱の最中やその後の振る舞いも良心にもとるものであり、暴動の間にペンス副大統領(当時)を攻撃したり、事後に犯罪者を称賛したりしていた」と批判した。
他の連邦議会議員と同様「怒り心頭だった」と振り返るマコネル氏だが、「我々の仕事は、どんな手を使ってでも罰を与えるということではなかった。上院の第一にして基本的な義務とは、合衆国憲法を守ることだ」と指摘。憲法の内容を重点的に精査した結果、「弾劾並びに弾劾裁判での有罪評決は現職の当局者に限定されるものだと結論した」と述べた。
13日に行われた弾劾裁判の投票の結果は有罪57票、無罪43票。有罪評決には出席議員の3分の2にあたる67人の賛同が必要だった。裁判の間も、大多数の共和党上院議員は弾劾裁判自体が違憲だとの考えから無罪票を投じる意向を示していた。
裁判自体の合憲性をめぐっては初日に採決が行われ、56対44の賛成多数で合憲の判断が出ていた。民主党議員に加え、共和党からも6人が賛成に回った。
合憲かどうかの懸念は些細(ささい)なことであり、勇気ある上院議員はこれにとらわれなくてよいとする意見もあったが、マコネル氏は論説でこうした主張を一蹴。「傾聴に値しない」と述べた。