トランプ氏、上院共和党トップを酷評 弾劾無罪後に長文の声明
(CNN) トランプ前米大統領は16日に声明を出し、上院共和党トップのミッチ・マコネル院内総務について「頑固で陰気、笑顔ひとつ見せない政治屋」と酷評した。このわずか数日前、マコネル氏はトランプ氏の2度目の弾劾(だんがい)裁判で無罪票を投じていた。
投票の後、マコネル氏は上院の議場での演説でトランプ氏を痛烈に批判した。両者の関係は過去数カ月にわたり疎遠になっていたが、トランプ氏が大統領を務めた4年間は緊密に連携していた。
トランプ氏は声明で「ミッチは頑固で陰気、笑顔ひとつ見せない政治屋だ。共和党の上院議員が今後も彼につくのなら、二度と選挙で勝利することはないだろう」と主張。「彼はこの先もやるべきことを絶対にやらない。我が国にとって正しいことは決してしない。それが必要かつ適切とみなせば、私は中間選挙の予備選で対立する候補の応援に回るつもりだ。これらの候補は『米国を再び偉大に』というスローガンや我々の米国第一の政策を支持する。求められているのは才気にあふれて力強く、思慮深さや優しさも備えた指導者である」と語った。
トランプ氏はまた、共和党が上院での過半数を失ったのもマコネル氏の落ち度だとする見解を表明。「マコネル氏はひたすら普段通りの仕事に精を出す。現状維持の方針を貫くだけで、政治的な洞察や見識、政策手腕、人間的な魅力に欠ける。その結果あっという間に上院の多数党院内総務から少数党院内総務に成り下がってしまった。今後も状況は悪くなる一方だろう」と強調した。
そのうえで大統領選で不正があったとする根拠のない主張を示唆。ジョージア州などの激戦州に関して「マコネル氏は何もしなかったし、これからもしないだろう。必要な対策を取らず、公平で公正な選挙制度を将来にわたって守ろうとしない。そうした気質が欠けているのだ。過去にもなかったし、これから身につくこともないだろう」と批判した。
続けて「彼は上院の共和党勢力を破壊している。そうすることで我が国を激しく傷つけている」と指摘。「今が我が国にとって重要な時だ。このまま三流の『リーダーたち』に我々の未来を委ねるわけにはいかない!」と締めくくった。
マコネル氏は再三にわたり、先月6日に起きた連邦議会議事堂への乱入をトランプ氏が扇動したと非難していた。CNNが同月、事情に詳しい情報筋の話として報じたところによると、トランプ氏が弾劾されれば共和党から同氏並びに同氏を支持する主義主張を排除するのが容易になるとの考えも示唆していたという。