約50人が「医療従事者」と偽り優先接種 米フロリダ州
米フロリダ州フロリダシティー(CNN) 米フロリダ州南部の新型コロナウイルスワクチン接種会場で、まだ対象になっていない約50人が医療従事者を装い、優先接種を受けていたことが分かった。
連邦緊急事態管理庁(FEMA)の報道官が7日、CNNに語った。マイアミから60キロあまり南に位置するフロリダシティーの会場に6日、医療従事者を名乗る数人のグループが現れたのが始まりだったという。
このグループは会場で身分証明を求められた際に提示できなかったが、スタッフはそのまま信じて接種を認めた。本人たちが帰って友人に報告し、話を聞いた人々がさらに医療従事者と身分を偽って接種を受けたという。
同州ではデサンティス知事が定めた日程に基づき、今月3日から65歳以上の高齢者、医師が高リスクと判断した人、医療従事者、学校職員、50歳以上の警官と消防士を対象に接種が始まっている。
対象外でもフロリダシティーで接種できたという話はソーシャルメディア上で拡散し、翌日はさらに多くの希望者が集まって長い列ができた。
CNN取材班に「6時間以上待っている」と話す人や、接種を断られたという人もいた。
ツイッターでこの会場のことを知ったというきょうだいは、約150キロ離れた街から駆け付けていた。自分たちは優先接種の対象ではないが、手術を受けたばかりの父を守るためにできるだけ早く接種したいと話し、残った分を打ってもらえないかと約7時間待ち続けたが、受けることはできなかった。
FEMAは騒ぎを受けてスタッフに対し、接種資格の確認を徹底するよう注意。身分証明がない場合は取りに帰ってもらうよう指示したという。