米コロナ禍、新たな感染拡大回避へ3~4月が重要とCDC所長
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は8日、国内の新型コロナウイルスの感染状況について、3~4月の動向によって新たな感染拡大が起こるかどうかが決まるだろうとの見通しを示した。
数カ月間にわたり深刻な状態が続いた後、米国内の新型コロナ感染者と入院患者数はここへきて急激な減少が報告されている。ワクチン接種を受ける人は日に日に増え、政府は8日、そうした人の行動に関する指針を発表した。
それでも過去1週間の新規感染者数は1日当たり平均6万人と、依然として極めて高い水準で推移している。多くの州知事が感染抑止策の緩和に動く中、春の祝日のイベントが全国的に開催されることでさらにウイルスが拡散する恐れがあると専門家は警鐘を鳴らす。
CDCのワレンスキー所長は全米都市連盟で発言し、向こう2カ月間をどのように乗り切るかが極めて重要だと指摘。いかに迅速にワクチンを供給し、さらなる感染拡大を防げるかどうかは、まさに3~4月の状況がどうなるかにかかっていると強調した。
ミネソタ大学感染症研究政策センターのマイケル・オスターホルム所長は、今後の感染拡大について、英国で最初に発見された変異株に由来するもので、向こう6~14週間のうちに起きるだろうと予測した。
同所長が7日に米NBCの番組で語ったところによれば、米国内で変異株が新型コロナウイルス全体に占める割合は4週間前の時点で1~4%だったが、現在は同30~40%に跳ね上がっている。欧州で確認されたように、変異株が5割に達すると新たな感染拡大を引き起こすという。
CDCのワレンスキー所長は、各地域の指導者らに対し、マスク着用や身体的な距離の適切な確保といった対策を人々に呼びかけてほしいと述べた。ワクチンについても接種を勧告してほしいと述べた。
同所長はまた、エボラ出血熱やジカ熱、新型インフルエンザといった感染症の拡大が過去10年間に相次いで起きているとしたうえで、米国の医療システムの「脆弱(ぜいじゃく)さ」に言及。コロナ禍の負荷が新たに加わる中で、医療のインフラや人員の大幅な増強が不可欠だとの認識を示した。