警官が13歳少年を射殺、ボディーカメラの映像を公開 米シカゴ
(CNN) 米イリノイ州シカゴで3月に13歳の少年が警官に射殺される事件があり、市当局は15日、この瞬間をとらえた警官のボディーカメラの映像を公開した。
13歳のアダム・トレドさんは3月29日、警官に銃撃されて死亡した。ボディーカメラの映像は、警官の発砲について捜査するシカゴ市の市民警察説明責任局(COPA)が15日に公開。シカゴ警察によると、トレドさんが拳銃を持つ様子が見えてから1秒足らずの間に警官が1発を撃ち、銃弾がトレドさんの胸部に命中した。
ボディーカメラは銃撃した警官が装着していたもので、警官は約2分ほど、トレドさんに向かって繰り返し「止まれ」「両手を見せろ」と叫んでいた。
2分4秒が経過したところで、トレドさんが右手に何かを持っているのが見え、警官は再び「止まれ」と叫んで直後に発砲した。
警察によると、トレドさんが持っていたのは拳銃で、後にフェンスの反対側から回収された。
トレドさんは胸部に銃弾が命中し、後にこの傷のために死亡した。
トレドさんの遺族側の弁護士は15日、銃撃された時、トレドさんは銃を手にしていなかったと述べ、最後の瞬間は警官の指示に従っていたと主張。「アダムは警官の指示に従って振り向いた。警官に胸部を撃たれた時、両手は空だった」「手に銃は持っていなかった」と訴えた。
トレドさんが手に持っていたものについては「銃であろうとなかろうと、手に持っていたものはフェンス越しに投げ捨てて、振り向いたところで撃たれた」と話している。
弁護士は、この警官やシカゴ市を相手取って法的措置を講じる可能性を排除しなかった。
警察はこの日、シカゴのウエストサイド地区での発砲の通報を受けて現場に駆け付け、路地を歩いていたトレドさんと21歳の男を発見。警官が近寄ろうとすると、トレドさんが路地を走り出した。
一緒にいた21歳の男は無謀な銃の発砲や子どもを危険にさらした容疑などで逮捕された。
シカゴのローリ・ライトフット市長は15日に記者会見を行い、「母親として、子どもには見せなくない映像だ」と語った。
市長側とトレドさんの遺族側の弁護団は同日共同声明を発表し、全ての資料が公開されるべきとの見解で双方が合意したと説明している。