バイデン米大統領、ガザ停戦を称賛 就任後初の中東危機を乗り切る
(CNN) バイデン米大統領は20日、記者会見を行い、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの間の停戦を称賛した。イスラエルのネタニヤフ首相との数十年来の友情が試されていたバイデン氏だが、就任後初の大きな外交危機を乗り切った。
バイデン氏は停戦発効の1時間前に記者会見を開き、合意にこぎ着けた政権の「静かで果敢な外交」を自賛。エジプトの取り組みにも賛辞を送った。
この中でバイデン氏は「エジプトやパレスチナ当局、他の中東諸国との間で集中的な高官協議を行った。過去の衝突発生時に目にした紛争の長期化を避けることが目的だった」としている。
今回の紛争と停戦は、バイデン氏が急速に展開する外交危機にどう対応していくのかを早くも垣間見させる形となった。民主党内からはもっと力強く発言すべきだとの批判が続いたが、バイデン氏は公の場で積極発言するよりも、非公開の外交を重視するアプローチを取った。
大統領とやり取りした関係者によると、バイデン氏はネタニヤフ氏との水面下の接触が奏功したと手応えを口にし、これが紛争の早期終結に大きく寄与したとの見方を示していたという。
バイデン氏は当初はネタニヤフ氏との対決姿勢を抑えていたものの、ここ数日になって同氏に率直に暴力停止を要請した。ただ、この協議は非公開の場で行われ、11日間に及んだ紛争中、バイデン氏が自ら対処する場面はほとんどなかった。
バイデン氏は政治人生を通じて強固なイスラエル支持者と見られてきた。自党内からはイスラエルの行動をもっと強い言葉で非難するよう求める声が上がったものの、公の場ではほぼ沈黙を貫き、20日の記者会見は今回の危機に関する8日ぶりの発言となった。