車内の16歳少年を射殺、警官3人を殺人罪などで訴追 米ホノルル
(CNN) 米ハワイ州で車の中にいた16歳の少年が警官に撃たれて死亡する事件があり、ホノルル検察は警官1人を殺人罪で、2人を殺人未遂罪で訴追したと発表した。
検察の15日の発表によると、少年は車のリアウィンドー越しに8回撃たれ、搬送先の病院で死亡が確認された。警察は、少年の乗っていた車が盗難車で、犯罪に使われた疑いがあるとみていた。少年の兄も銃弾2発を浴びたが一命はとりとめた。
第2級殺人罪で訴追された警官はジェフリー・トム被告(42)。理由なく発砲して少年を死亡させた罪に問われている。さらに、26歳と40歳の警官が第2級殺人未遂の罪に問われた。
いずれも有罪になれば、仮釈放なしの20年以上の禁錮を言い渡される可能性がある。
検察側は、「被告人による殺傷力の行使は不必要かつ不合理で、法の下では正当化できない」と主張している。
事件が発生したのは4月5日。大陪審は先に、警官3人をいずれも不起訴処分としていた。
警官側は、少年が車で突っ込もうとして自分たちの生命を危険にさらしたと訴えていた。これに対して検察は、警官の証言はボディーカメラの映像と矛盾していると指摘。少年は警官の指示には従わなかったが、警官の生命を脅かすことはなかったと主張している。ボディーカメラの映像は一般には公開されていない。
ホノルル警察は警官の訴追について、「市民で構成される大陪審が不起訴とした警官を、検察が訴追したことに驚いている。これは極めて異例であり、過去に同様の措置が講じられた事例は認識していない」とする声明を発表した。
警官3人の初出廷は6月25日に予定されている。