米加州の保安官代理、無抵抗の容疑者の頭蹴る 映像記録から犯罪捜査の対象に
(CNN) 米当局は、カリフォルニア州南部の保安官代理の行動について現在刑事事件として捜査している。監視カメラの映像には、同保安官代理が、追い詰められて無抵抗で地面に伏せた状態の容疑者の頭部を蹴る様子が映っている。当局者の一人は映像の内容を「驚くべきもの」で「不快」だと述べた。
問題の現場は、ロサンゼルスから北東へ約137キロ離れたビクタービル。同州サンバーナディーノ郡の保安官事務所は声明で、16日未明にオートバイ運転者1人が交通違反の取り締まりを振り切って走り去ったと述べた。
保安官代理らは33歳のこの運転者を追跡。街路や幹線道路を高速で走行し、対向車と正面衝突しそうになる状況も数回起きたという。
追跡は現地時間午前0時45分ごろ終わった。運転者の男は自動車の販売店でオートバイを乗り捨て、徒歩で逃げ出した。
ニュースサイトのTMZが入手した監視カメラの映像を見ると、販売店の車両の下から男がはい出てきて立ち上がり、歩き出すもののやがて方向を変え、両手を上げた状態で近づいてくる保安官代理と対峙する。
男は逃亡をあきらめ、地面に腹ばいになっているように見える。そこへ保安官代理が近づき、男の頭めがけ鋭い蹴りを2発放ったようだ。男は動かないまま、やってきた別の保安官代理に手錠を掛けられる。
その後男は立たされ、保安官代理らに連行されていく。
保安官事務所は声明で、監視カメラの映像から当該の保安官代理の行動に問題があったとの見方を示した。
この保安官代理は2016年4月から同事務所に配属され、17年9月以降ビクタービルでの勤務に就いているという。
頭部を蹴られた男は医療措置を受けた後、公共の安全を無視して逃走した疑いで逮捕された。公的な記録によるとすでに保釈され、拘束はされていない。
男に弁護士がついているのかどうかは21日の時点で不明。
マクマホン保安官は記者会見で今回の事態への懸念を表明。徹底捜査を行っているとしたうえで、当該の保安官代理は休職処分としていると説明した。
捜査完了後は、結果を地区の検察局に提出する予定だという。