米軍、アフガニスタンからの撤退を開始 バイデン氏が撤退期限維持
(CNN) アフガニスタンに駐留している米軍の兵士数百人が撤退を開始したことがわかった。米国防総省のカービー報道官が24日夕、確認した。バイデン米大統領は同日、8月31日というアフガニスタンからの米軍の撤退期限について維持する考えを明らかにしていた。
カービー報道官は声明で、撤退を開始した兵士について、本部のスタッフや保守要員といった撤収期限を迎えた兵士や空港での任務を完了した兵士だと説明。今回の撤退は用意周到で効率的な人員管理を示しており、直近の作戦には影響を与えないとしている。CNNは声明発表前に防衛当局者2人の話として、米軍のアフガニスタンからの撤退が始まったと報じていた。
少数の米兵がすでに退避しているという事実はアフガニスタンでの状況がどれほど急速に動いているのかを浮き彫りにしている。アフガニスタンからの退避のペースはここ数日加速している。だが撤退期限まで1週間に迫る中、米軍はすぐに、米国人やアフガニスタン人の移送から、全兵士を安全に移動させ、空港での治安維持作戦を縮小することに軸足を移すことを余儀なくされるだろう。
当局者の1人は「これまでのところ、要員の縮小は作戦に影響を与えていない」と述べた。現地の司令官が、どの要員がすでに必要のない部隊にいるのかを決定できるという。その決断は空港で開いている入り口の数や通過する人の数などで決まるという。
同当局者は、より小規模な作戦が設定され、その任務を実行できるなら、要員を減らしてリスクを下げることができると述べた。
米国防総省は「ISIS―K」などのテログループが空港周辺で脅威となっていることを強く感じており、米国民やアフガニスタン人の退避のために代替ルートを構築している。加えて、イスラム主義勢力タリバンは、8月末までの期限を過ぎてアフガニスタンに米軍が存在することを好まないと公言しており、期限を過ぎても米軍が駐留している場合には相応の結果を招くと警告している。