強姦での死刑から70年後、黒人男性7人に死後恩赦 米バージニア州
(CNN) 米バージニア州のノーサム知事は8月31日、70年前に強姦(ごうかん)の罪で死刑となった黒人男性7人に死後恩赦を与えた。事件の被害者は白人の女性で、評決を下した判事も全員白人だった。
知事のオフィスは恩赦について、7人の有罪を問題にするものではなく、州として彼らが適正な法の手続きを踏まずに裁かれたとの認識を表明するための措置だと説明。7人が受けた死刑判決は人種的な先入観に基づいており、白人の被告に対して同様に適用されるものではなかったとの見解を示した。
そのうえで知事は、「我々の誰もが公正かつ平等な刑事司法制度の下で正当な判決を受ける資格がある。被告が誰で、どのような見た目かにかかわらず」と指摘。また7人の遺族や弁護士らに対し、熱心に根気よく問題に取り組んだことへの感謝も表明した。
遺族らは7人が取り調べの際に脅迫を受けていたと主張。弁護士も付いておらず、集団暴行を加えるとの脅しで自白を強要されたと訴えていた。
事件は1949年1月8日に発生。7人は当時32歳だった女性を強姦した罪で有罪判決を受けた。女性はこの日、販売した服の代金を受け取りに、マーティンスビルの黒人が多く住む区域へ出かけていた。
7人のうち4人は51年2月2日、州の電気椅子で処刑された。3日後、残る3人の死刑も執行された。当時、強姦は死刑に相当する罪とされていた。