死刑囚の刑執行、最高裁が延期の請願退ける 米ミズーリ州
ワシントン(CNN) 米ミズーリ州は5日、アーネスト・ジョンソン死刑囚(61)の死刑を執行した。これより前には最高裁が、知的障害を理由とした死刑延期の請願を退けていた。
州の矯正当局によると、ジョンソン死刑囚は薬物注射による刑の執行後、午後6時11分に死亡が確認された。同死刑囚には、ガソリンスタンドへ強盗に入り従業員3人を殺害した27年前の罪で有罪判決が出ていた。
ジョンソン死刑囚の弁護士は連邦最高裁判事のブレット・カバノー氏に提出した請願の中で、同死刑囚が自身の知的障害についての「圧倒的な証拠を提示」していたと主張。死刑執行は延期されるべきだと訴えていた。
しかし最高裁は、州最高裁の5月の見解にならって請願を退けた。州知事のオフィスは4日の報道向けの発表文で、「死刑執行の対象となる法的能力を持たないとするジョンソン氏の主張は陪審と裁判所によって6回検証され、却下された。このうち州最高裁では全会一致の判断だった」と説明。共和党のパーソン州知事も州最高裁の意向に従った死刑執行を支持する見解を示した。
ジョンソン死刑囚は薬物注射ではなく銃殺隊による死刑執行を望んでいたが、最高裁は5月にこの希望も却下していた。同死刑囚によると州の定める手順通りに薬物注射を行えば、脳の腫瘍(しゅよう)に起因する激しい発作が起きる公算が大きいという。
米調査会社ギャラップが2019年に発表した世論調査結果では、回答者の6割が殺人罪の刑罰として死刑よりも仮釈放なしの終身刑を支持すると答えた。同社によると、終身刑支持が多数派となったのは少なくとも過去30年間で初めてのことだった。