車内の銃撃戦は麻薬捜査絡み、捜査員3人死傷 米アムトラック
(CNN) 米アリゾナ州トゥーソン市の鉄道駅に停車した米鉄道旅客公社(アムトラック)の列車内で今月初旬起きた銃撃戦で、米麻薬取締局(DEA)の特殊任務要員1人が死亡し、別の同要員ら2人が負傷していたことが9日までにわかった。
同市の警察幹部が明らかにした。また、同州の地方裁判所の事件関連文書によると、4日朝に発生した銃撃戦は車内での大量のマリフアナの押収が発端だったことが判明した。容疑者2人のうち1人が拘束され、要員らに発砲した別の1人は射殺されていた。
負傷した特殊任務要員は重体で、DEA捜査班に加わっていた市警警官の容体は安定しているとした。
裁判所文書によると、容疑者2人は生のマリフアナ約2.4キロなどを保持。車内でDEA要員がマリフアナ入りのバッグを離れた席に移した後、自分の席に戻る容疑者の姿を目撃。聴取したところ自らの所有物であることを否認したためバッグを車外へ運び、調べた結果、大量のマリフアナが入った2袋を確認したという。
この後、別の要員が容疑者の同意を得て、駅のプラットホーム上で別のバッグを警察犬を使って調べていたところ、マリフアナの隠匿を先に確認していた要員がその事実を伝えていた。これを受け、容疑者に再度聴取しようとした際に発砲が起きたという。
容疑者2人の存在はDEA要員が通常の捜査手続きで事前に入手。警戒対象のリストに入っている複数の個人名がトゥーソンに到着するアムトラックの列車に乗っているとの内容だったという。
同列車はロサンゼルス発、ニューオーリンズ行きで乗客137人、乗員11人がいたが、全員が無事で負傷者の報告はなかった。
鉄道ファンが生中継した映像には駅のプラットホーム上で銃撃犯に対峙(たいじ)しているとみられる警官の姿が映っていた。銃声を受け、プラットホームにいた乗客が安全な場所へ走り込む姿も収められていた。