新型コロナの状況改善も「再流行」の可能性 ファウチ所長
(CNN) 米国で新型コロナウイルス感染症の症例や入院、死亡率に改善傾向がみられ、将来に向けて楽観的な見通しも出ているが、国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は17日、多くの米国人が依然としてワクチン未接種であり、そうした数値が再び増える可能性もあると指摘した。
ファウチ所長はFOXニュースの番組に出演し、うまくやらない場合、感染件数の減少傾向が鈍化するほど多くの循環ウイルスが存在することになる危険性は常にあると警告。もしそうなれば、他の流行時に見てきたように、再流行する危険性があるという。
ジョンズ・ホプキンス大学によれば、1日あたりの新規感染件数は平均8万5000件以上と依然として高い水準にあるものの、過去数週間と比べると8000件以上減少した。新型コロナウイルスによる死者も減少し今月初めから1日あたり平均200人超減っている。
数字に改善がみられるものの、低いワクチン接種率のため依然として危うい状況ともなっている。米疾病対策センター(CDC)によれば、17日時点でワクチン接種を完了したのは全人口の57%となっている。
専門家は、新型コロナウイルスの流行を抑制するために人口のどのくらいの割合にワクチン接種が必要なのかについて正確には把握していないものの、ファウチ所長は人口の大部分がワクチン接種を行う必要があるとの見方を示した。
良い知らせとしては、ファウチ所長は感染の再流行は避けられないとは考えていないことだ。
ファウチ所長は、感染などの減少傾向を継続するには、いかに上手により多くの人々にワクチンを接種してもらうかにかかっていると指摘した。