銀行から大金を持ち逃げ、消えた出納係を52年後に突き止める 米

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セオドア・ジョン・コンラッドは銀行から現在の金額で1億9000万円相当の大金を持ち逃げした/Ross Anthony Willis/Fairfax Media/Getty Images

セオドア・ジョン・コンラッドは銀行から現在の金額で1億9000万円相当の大金を持ち逃げした/Ross Anthony Willis/Fairfax Media/Getty Images

(CNN) 52年前に米オハイオ州クリーブランドの銀行から大金を持ち出して姿をくらませた銀行の出納係の居場所が52年ぶりに突き止められたことがわかった。ただ、この男は今年5月に肺がんで死亡していた。71歳だった。米連邦保安局が明らかにした。

当局によれば、当時20歳だったセオドア・ジョン・コンラッドは1969年7月、クリーブランドの銀行で出納係をしており、シフトを終えると21万5000ドルを紙袋に入れて盗み出し姿を消した。連邦保安局によれば、現在の金額で170万ドル(約1億9000万円)に相当し、クリーブランド市の銀行から盗まれた被害額で最高のもののひとつだという。

連邦保安局は12日、米国の重要指名手配犯のひとりとみられる男の身元を確認したと明らかにした。

コンラッドは70年からマサチューセッツ州ボストンで、トーマス・ランデルという名前で生活していた。

連邦保安局によれば、コンラッドが銀行で盗みを働く1年前、68年のスティーブ・マックイーンの映画に夢中になった。この映画は実業家が楽しみとして銀行強盗を行うという筋立てで、コンラッドは友人に銀行から金を持ち出すのがどれほど簡単なことかと自慢していたという。

コンラッドの犯行は金曜日に行われたとみられている。銀行はコンラッドが出勤してこなかった月曜日になるまで金庫から金が消えていることに気が付かなかった。その後、捜査は行き詰まった。

捜査官は数十年にわたってコンラッドの居場所に関する情報を追いかけた。

連邦当局は先週、何年にもわたる捜査の後、マサチューセッツ州を訪れ、コンラッドがボストンで偽名を使い目立たない生活を送っていたことを確認した。捜査の一環として、60年代の書類と、ランデルの名前で作られた書類を比較していた。そこには2014年にボストンの連邦裁判所に提出された破産関連の書類も含まれていた。

コンラッドは今年5月、ボストン郊外のリンフィールドで肺がんのため亡くなった。

コンラッドの捜索で重要な役割を果たした捜査官の一人がピーター・J・エリオット保安官だ。1960年代後半に一家でコンラッドの家の近くに住んでいて、父親のジョン・K・エリオット氏が69年から保安官補を務め、捜索に従事していた。

ジョン氏は90年に引退して昨年亡くなったが、同氏の発見したいくつかの文書がコンラッドの特定に役立った。

エリオット氏は「2020年に死ぬまで父は事件の終結を願っていた」「自分の捜査が数十年に及ぶミステリーに終止符を打ったと知れば、少しは安堵(あんど)してくれるだろう」と語った。

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