ロバート・ケネディ暗殺犯の仮釈放、米加州知事が拒否
(CNN) 米カリフォルニア州のニューサム知事は14日までに、ロバート・ケネディ元司法長官を1968年に暗殺したサーハン・サーハン受刑者(77)の仮釈放を拒否すると表明した。知事のオフィスからの報道向け発表で述べた。
53年間服役しているサーハン受刑者については昨年8月、州当局が仮釈放を勧告。ケネディ氏の息子のロバート・ケネディ・ジュニア氏とダグラス・ケネディ氏は当時16回目となるサーハン受刑者の仮釈放委員会で仮釈放を支持していた。
これに対しケネディー氏の妻をはじめとする他の遺族は仮釈放に反対する考えを示した。
知事のオフィスの声明によると、ニューサム知事はサーハン受刑者が「現時点で過度の脅威を公共の安全にもたらしている」と断定。仮釈放委員会の判断を拒否することを決めたという。
決定はサーハン受刑者が自らの犯罪の責任を認めるのを拒否していること、安全な釈放を支持できるだけの洞察や説明責任が果たされていないことなど複数の要因に基づいて下したとした。
ニューサム知事はロサンゼルス・タイムズ紙への寄稿でも、サーハン受刑者について「政治的暴力の強力なシンボルであり続けている」との見解を示している。
CNNはサーハン受刑者の弁護士にコメントを求めた。
同受刑者の仮釈放に反対したケネディ家のメンバーは声明を出し、知事の決定に「深く安堵(あんど)した」と述べた。
そのうえで「当該の殺人者による暴力的な行為は、寛容さや対話、民主的な変革といった価値観と相容れない。それらはロバート・ケネディが掲げた理念であり、我が国の政治システムの根底にあるものだ」「この犯罪者は、自分自身を変えなくてはならない」と強調した。