米海軍艦、西沙諸島付近を航行 中国の領有権主張に異議
香港(CNN) 米海軍の誘導ミサイル駆逐艦「ベンフォールド」は20日、南シナ海のパラセル(西沙)諸島付近を航行し、中国の領有権主張に異議を唱えた。海軍は声明で、中国の主張は国際法違反であり「海洋の自由に対する深刻な脅威となる」と述べている。
海軍第7艦隊の報道官は、パラセル諸島周辺でベンフォールドが「航行の自由作戦」を実施したと明らかにした。
パラセル諸島は南シナ海北西部にある130の小さなサンゴ島やサンゴ礁からなる。米中央情報局(CIA)の資料によると、元から住んでいる住民はおらず、1400人を収容できる中国軍の駐屯地があるのみだという。
パラセル諸島はベトナムや台湾も領有権を主張するが、46年以上にわたって中国の実効支配下にあり、中国人民解放軍(PLA)の施設によって要塞(ようさい)化されている。
海軍の声明によると、ベンフォールドはベトナムや台湾の領有権主張に対しても異議を唱えた。
海軍の声明では「領有権を主張する3カ国はいずれも、軍艦が領海の『無害通航』を行う前に許可か事前通知を要求している」と指摘。「国際法上、軍艦を含むすべての国の船舶は領海を通過する無害通航の権利を享受する。無害通航について許可や事前通告を一方的に要求することは違法となる」と述べた。
一方、中国はベンフォールドの展開に対して反発し、「中国人民解放軍(PLA)南部戦区は海空軍を組織して駆逐艦を追跡・監視し、警告を発して追い払った」としている。