米フロリダ沖のボート転覆、5人の遺体発見 沿岸警備隊が捜索打ち切り
(CNN) 米沿岸警備隊は27日、フロリダ州東部フォートピアス沖でのボートの転覆事故について、乗船者5人の遺体を発見した時点で残る34人の捜索を公式に打ち切ったと発表した。
沿岸警備隊はこれに先立ち、同日日没時に生存者に関する新たな情報がなければ捜索を打ち切る計画を明らかにしていた。
捜索は25日午前、フォートピアスの約75キロ沖合で転覆したボートにしがみついていた男性1人を救助したという連絡が入って以降続けられていた。
沿岸警備隊のジョーアン・バーディアン大佐によると、26日に1人の遺体を回収。また「過去24時間以内に」別の4人の遺体を発見したという。捜索の範囲はニュージャージー州の面積と同程度だとした。
バーディアン氏は、沿岸警備隊として他に生存者がいるとは考えにくいと説明。捜索活動の打ち切りは、難しい判断だったと述べた。隊員らは海中を再三にわたり調べたほか、空からも複数回の捜索を行ったという。
沿岸警備隊は今週、本件が人身売買の試みに関連している疑いがあるとの見方を明らかにしていた。救出された男性が当局に対し、バハマ諸島の中のビミニ諸島から来たと話していたためだ。それによると男性は22日に他の39人とともにボートで出発。その後悪天候に見舞われ、ボートは転覆したとみられる。
乗船者は誰も救命胴衣を着けていなかったという。
この男性の状態は安定しており、国土安全保障省の当局者から聴取を受けていると、バーディアン氏は語った。