米空母上で炎に包まれるF35、海上に落下 着陸失敗の新映像流出

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米空母上で炎に包まれるF35、着陸失敗の新映像流出

(CNN) 先月米海軍の最新鋭ステルス戦闘機F35Cが空母への着艦に失敗した事故で、炎に包まれ海上に落下する機体の様子を捉えた新たな映像がソーシャルメディアに流出した。

事故は先月24日、南シナ海で作戦実施中の米空母カールビンソンの甲板上で起きた。同艦のビデオモニターが事故の様子を映していた。

映像は2つの違う角度から別個のカメラで撮影されたもの。1つは機体が甲板に衝突し炎に包まれ回転する様子、もう1つは機体が傾きながら甲板上を滑り海へと落下する様子を映している。

空母の乗組員が着陸のやり直しを求める「ウェーブオフ」の言葉を叫んでいる声も聞こえる。機体は1機1億ドル(約115億円)。

元オーストラリア空軍将校でグリフィスアジア研究所に所属するピーター・レイトン氏は、F35が空母に近づく際に制御の問題が生じていたように見えると指摘する。

同氏は「機体が降りてくる際にフラップが前後に動いていて、操縦士が制御を失い振動を経験しているように見える」と述べ、機体が自動着陸システムを使っていないことが示唆されると言及した。同システムは甲板上への安全な着陸のため、操縦士による修正の回数を制限する支援をするもの。

「これは飛行制御(フラップ)とスロットルを連携する賢いソフトウェアで、操縦士にシステムの監視と微調整を可能にする表示も見せる」(レイトン氏)

カールビンソンへの展開はF35C初の作戦での展開業務となっていた。空軍のF35Aや海兵隊のF35Bはそれより早く就役している。

米海軍はCNNに映像は本物だと認めた。事故の原因については発表されていない。海軍の報道官は「事故も艦上の映像流出も調査を継続中」と述べた。

連続した2つの映像から、これが事故発生時に空母上で再生されていた事故の録画であることが示唆される。レイトン氏は「米海軍は毎回の着陸時にいくつかの角度から録画している。全操縦士の着陸を振り返って批評するためだ」と語る。

この事故で映像の流出は2度目。機体が空母に近づく映像や海上に浮かぶ機体の静止画も先ごろ流出していた。

事故では緊急脱出した操縦士1人と艦上の6人が負傷した。

映像の最後には、事故後数秒で甲板下に泡を噴射する空母乗組員の姿が映っている。海軍は事故直後、空母へのダメージは表面的なものにとどまり、通常運用に素早く戻ったと述べていた。

海軍は機体を海底から引き揚げる方針。専門家は複雑な作業になると予測するが、機体には海軍の最新技術が含まれるため、米政府が中国の手に渡したくないのだろうと推測する。

中国外務省は米海軍戦闘機の事故を知っているが機体に興味はないと表明。趙立堅報道官は「米国には(南シナ海の)あらゆる場所で力を誇示するより、地域の平和と安定にもっと貢献するように忠告する」と述べた。

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