米共和党上院トップ、議事堂襲撃めぐる発言で同党議員らと対立

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議事堂襲撃を「暴力的な反乱」と断じたマコネル氏に、身内の共和党議員らが反発/Chip Somodevilla/Getty Images

議事堂襲撃を「暴力的な反乱」と断じたマコネル氏に、身内の共和党議員らが反発/Chip Somodevilla/Getty Images

(CNN) 米共和党の上院トップ、ミッチ・マコネル院内総務は今週、昨年1月6日に発生し死者も出た連邦議会議事堂襲撃について、「暴力的な反乱」であり、平和的な権力の移譲を阻止しようとするものだったとの見解を明示した。これに対し、上下両院の共和党議員の多くが反発の声を上げている。

マイケル・クラウド下院議員(テキサス州選出)は9日、マコネル氏への返答として「概ね平和的な抗議活動だった」と主張。テッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)も「『反乱』という単語は政治色の濃いプロパガンダだ」と指摘した。

マコネル氏は同日、CNNの取材に答え、「ごく単純な話だ。全国的に犯罪が急増している。共和党は警察の側に立ち、犯罪に対して厳しい姿勢で臨む政党だ。私も一貫して警察の側に立ち、犯罪に厳しく対処する共和党議員だ」と述べた。

マコネル氏のコメントからは共和党指導部の抱く懸念がうかがえる。このまま議事堂襲撃を軽視する姿勢が続けば、議会での多数派を奪還する共和党の取り組みが台無しになりかねない。とりわけ自分たちを米国内の犯罪急増に最も適切に対処できる党と位置付けるのであればなおさらだ。

加えてマコネル氏は、襲撃の実態を曖昧(あいまい)にしようとする動きにも断固たる姿勢で臨むことを表明。あからさまにトランプ前大統領の責任を追及してもいる。

今回の意見の対立は今月4日、共和党全国委員会(RNC)が決議の中で議事堂襲撃をめぐる一連の出来事を「合法な政治的対話」と表現したことが発端。決議は事件を調査する特別委員会に名を連ねる同党のリズ・チェイニー、アダム・キンジンガー両議員を公式に譴責(けんせき)する内容だった。

マコネル氏は8日、記者団に対しRNCを非難する姿勢を表明。両議員の譴責に反対するとともに襲撃は「暴力的な反乱」だったと強調した。

これを受け、共和党議員からはマコネル氏に異議を唱えるコメントが相次いでいた。

ジョシュ・ホーリー上院議員(ミズーリ州選出)はマコネル氏の評価を「不正確」としたうえで「本来は政治的なデモ活動で全く合法なものだ。しかし警官を襲い、法律に違反することで暴力になれば、それは憲法で認められた言論の自由ではない」と説明した。

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