トランプ前政権のホワイトハウス文書、一部破られていた 米下院委に提出
(CNN) 昨年1月6日の米議会議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会に提出されたトランプ前政権のホワイトハウス文書の一部は破られており、国立公文書館の職員がテープでつなぎ合わせる作業が必要だったことがわかった。同館が声明で明らかにした。
同館はCNNの取材に対し、記録の一部は「トランプ前大統領が破った紙の記録を含む」ものだと述べたが、トランプ氏本人が破ったとわかった経緯は示さなかった。
同館はトランプ政権終了時に提出された記録に「ホワイトハウスが復元しなかった数多くの破れている記録」があると言及。「大統領記録法では、大統領が作成したすべての記録が政権終了時に国立公文書館に提出されることが義務付けられている」と述べた。
同館は米政治専門サイト「ポリティコ」の2018年の報道にも言及した。報道では、トランプ氏が破り捨てたホワイトハウスの通信記録や文書の復元を一部業務とする職員がホワイトハウスに雇われたと伝えられていた。
トランプ氏の報道官にコメントを求めたが返答はない。特別委員会の報道官はコメントを避けた。
文書提出を巡る争いは最高裁までもつれ、トランプ氏は大統領特権を主張して文書の非開示を求めていた。バイデン現政権はトランプ氏の主張を支持せず、裁判所も委員会に有利な判断を下して、最近になって文書の提出が始まった。
委員会のメンバーは数百ページに及ぶ文書を公表に向けて精査している。裁判所への提出書面によれば、文書にはホワイトハウスの通話記録や訪問者の記録、演説の原稿、上級顧問らの手書きのメモ3点が含まれる。
委員会はこうした文書が事件調査で重要な役割を担うと述べている。
◇
本記事の第1段落冒頭で「昨年1月6日の米議会議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会にトランプ前政権のホワイトハウス文書の一部が破られた状態で提出され」と記述しましたが、「昨年1月6日の米議会議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会に提出されたトランプ前政権のホワイトハウス文書の一部は破られており」に訂正しました。