米・メキシコ結ぶ主要道路、トラック運転手の抗議で一時通行停止

（ＣＮＮ） 米国とメキシコを結ぶ主要な商業用の道路の入り口が、メキシコ側の抗議デモによって一時的に通行停止となったことがわかった。南行きの米国の輸送業者がいない状態となったという。米税関・国境警備局（ＣＢＰ）が明らかにした。

今回の抗議デモの前、テキサス州のアボット知事は、バイデン政権が新型コロナウイルスに関連した国境での規制を終えたことを受けて、州国境での安全検査を強化するとの方針を打ち出していた。

主要な業界団体はテキサス州による国境の検査について不必要なものとみている。

アボット知事のオフィスが明らかにした新たな戦略は、薬物や人身売買、密入国、そのほかテキサス州で禁じられているものの流入を抑止することを目指しており、その中にはテキサス州の入り口から米国へ入る商用車に対する安全検査の強化も含まれるという。

テキサス州の公共安全部門に対して、密入国のあっせんや薬物に関連した犯罪の嫌疑をかけられた商用車の運転手が１人でもいるのかどうか質問したが応答はなかった。今月１０日時点で、当局は国境の一部の通関で２６８５台の商用車を検査し、そのうちの６４６台について、ブレーキやタイヤ、ライトの不具合を含む深刻な安全基準違反のため運行を停止した。

テキサス州による国境の検査は、少なくとも２つの主要な業界団体によって不必要なものとみなされており、すでに混乱を引き起こしているという。

業界団体ＦＰＡＡのトップはアボット知事に宛てた手紙で、一度国境を越えたトラックに対してテキサス州当局が追加で行う検査は深刻な遅れを引き起こしており、それに見合った国境の安全の向上につながっていないと述べた。

ＦＰＡＡは、９０億ドルを超える製品がテキサス州を通じて取引されているが、新たな国境検査の方針がテキサス州全体の取引に深刻な影響を及ぼしていると指摘している。