ウクライナ渡航の米国人、また1人行方不明に 別の2人はロシアのメディアに写真浮上
ワシントン(CNN) 米国務省報道官は16日の記者会見で、ロシア軍と戦うためにウクライナに渡航した米国人が、数週間前から行方不明になっているとの情報があることを確認した。ウクライナで行方不明になった米国人はこれで3人目。
一方、1週間ほど前から行方が分からなくなり、ロシア軍による拘束が懸念されている2人については16日、ロシア軍のトラックを背にして写された写真が浮上した。
妻がCNNに語ったところによると、行方不明になった3人目の米国人については、元海兵隊員のグレイディ・クルパシさんであることを国務省が確認した。
クルパシさんから妻や親しい友人への連絡は、4月23~24日を最後に途絶えているという。
行方不明になった元海兵隊員のグレイディ・クルパシさん=2019年1月25日、米ノースカロライナ州スワンズボロ/USMC Lance Cpl. Aaron Douds/US Dept. of Defense
友人のジョージ・ヘスさんによると、クルパシさんは米海兵隊に20年間所属し、2021年11月に引退。ウクライナ軍を支援するボランティアに志願したが、当初は戦闘の最前線に立つことは想定していなかったという。
クルパシさんは3月7日にウクライナに渡航し、同月21日に首都キーウ(キエフ)に到着。外国人部隊の隊員とともに4月下旬、ヘルソン近郊の拠点に配備されたが、その頃から米国にいる妻や友人への連絡が途絶えていた。
ヘスさんが仲間の隊員などから聞いた話によれば、4月26日、拠点が小規模な銃撃を受け、クルパシさんは状況を調べるため、仲間の兵士とともに同拠点を離れた。その後、クルパシさんはウクライナ軍に、これから反撃を開始すると伝えてきたという。クルパシさんからの連絡はそれが最後だった。
妻には国務省から、クルパシさんが4月28日に行方不明になったと連絡があった。行方不明とされたのは、遺体が見つかっていないためだとヘスさんは話している。
国務省のネッド・プライス報道官は、ウクライナで拘束されたと伝えられる別の米国人2人についても、家族と連絡を取っていることを確認した。ウクライナ政府や赤十字国際委員会とも連絡を取っているが、2人が拘束されたとの情報は確認できていないとしている。
拘束が伝えられているのは東部ハルキウ北郊でウクライナ軍とともに戦っていたアレクサンダー・ジョンロバート・ドルークさん(39)とアンディ・タイ・ノック・フインさん(27)。
16日には、ロシア軍のトラックを背にしたドルークさんとフインさんの写真が浮上した。CNNは、この写真が撮影された日時を特定できていない。