トランプ氏が選挙結果覆そうと州関係者に圧力、米議会公聴会4日目のポイント
再びトランプ氏の電話を詳細に分析するシフ委員
シフ委員がトランプ氏とジョージア州選管関係者との電話を詳しく分析している様子は人目を引くものとなった。
シフ氏が電話に記録されたトランプ氏の不正行為の精査をしたことは以前にもある。それは19年のウクライナのゼレンスキー大統領との電話で、トランプ氏がゼレンスキー氏に対し、ウクライナがバイデン氏を汚職の疑いで捜査していると公表するように迫った内容だった。シフ氏は当時、トランプ氏に対する最初の弾劾(だんがい)裁判で、調査役の筆頭を務めていた。
当時のホワイトハウスは、ゼレンスキー氏との電話の筆記記録を公開したが、録音は存在しなかった。だが今回は、トランプ氏がラフェンスパーガー氏やジョージア州州務長官事務所の調査官トップと交わした会話の録音が公聴会で再生された。
弾劾裁判のときは、外国の介入を誘って選挙の完全性を損なう取り組みが焦点となったが、今回の公聴会では、陣営支持者の米国人を並べて選挙結果を覆そうとするトランプ氏の取り組みが焦点となっている。
トランプ氏が広めた偽情報の犠牲者、感情をあらわに証言
公聴会の後半では、ジョージア州アトランタで選管の職員として働いたワンドレア・モスさんと母のルビー・フリーマンさんが証言した。トランプ氏やジュリアーニ氏など共和党関係者は、同州での巨大な選挙不正に関するうその中心にこの2人を巻き込んだ。
2人の感情をあらわにした証言は、トランプ氏のうそがもたらした犠牲者と、その生活が破壊されていく様子を明らかにするものとなった。
モスさんは「自分ではどうすることもできない」と感じ、30キロ近く体重が増え、「自分の名前を知られたくなくて」名刺を渡せなくなったと語った。
母のフリーマンさんは録画された証言の中で、もしトランプ氏のうそを信じる人物が名前を見て自分たちを認識されたらと思うと、「食べ物の注文をする際にもナーバスになった」と述べた。
フリーマンさんは連邦捜査局(FBI)から自宅は安全でないと告げられてから2カ月間隠れて過ごしていたとも述べ、「住む家がない感覚」「身の安全という感覚がなくなった。トランプ氏やその側近のルディ・ジュリアーニ氏から始まった集団が、私や私の娘を犠牲に、選挙が盗まれたといううそを押し通そうと決めたことがすべて原因だった」と語った。