ロシア、侵攻前の対米関係への修復「全くあり得ない」 国務省高官
(CNN) 米国務省高官は30日までに、ウクライナへ軍事侵攻したロシアとの間の将来的な外交関係に触れ、ロシアが侵攻前のような状態に戻すことは「全くあり得ない」との認識を示した。
今後の外交関係のあり方については明白に触れなかったものの、今年2月下旬に始まった侵攻に先だって両国関係は既にきしんでいた事実に言及。
米国のサリバン駐ロ大使とロシア外務省との接触も以前と比べ回数が減っているとした。ただ、米大使館の館員不足の問題やロシアが拘束した米国民の問題についての接触は保っているとした。
拘束下にある米国民の処遇などの問題についてロシア側に働き掛けるのがいかに骨が折れる手順を踏んでいるのかも説明。これら米国民との迅速な面会などを拒む複雑な手続きをロシア側が押し付けてくると主張した。
具体的には、米国民を新たな場所に移送したため異なった形式の三つ組の書類の作成が必要だが、所管の事務所は翌週の木曜日まで作業を受けつけないと告げられるなどの事例を説明。金曜日に出かけると対応したいとの回答もあるが、そのためには「青色のペン」が必要との条件も突きつけられるとした。
この米国務省高官によると、サリバン大使は今年の2月中旬以降、ロシア政府との間でウクライナ問題についての交渉には当たってはいない。
同高官はウクライナへの侵攻がロシアにもたらした経済的な悪影響も指摘。ロシア市場へ進出していた米企業は昨年、1000社以上に達していたが現在はこのうちの一部しかとどまっていないとも述べた。
以前ならサリバン大使はロシア内で活動し同国の規則順守でのもめ事や刑事事件に発展しかねない問題を抱えていた米企業を助けるため相当な尽力をしていたとも明かした。ロシアの産業貿易相とは非常に良好な関係を築いていたとも主張した。
このつてを使っての交渉では、望むべく結果を得られたこともあったとしたが、ウクライナ侵攻を受けて「全てが停止した」状態にあるとも述べた。