ギレーヌ・マクスウェル被告に禁錮20年、米富豪の少女性的虐待事件
ニューヨーク(CNN) 米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告の元交際相手ギレーヌ・マクスウェル被告(60)がエプスタイン元被告とともに少女を性的に虐待する計画を長年実行していたとして有罪となった刑事裁判で、マクスウェル被告は28日、禁錮20年の刑を言い渡された。
マクスウェル被告は昨年のトライアル(事実審理)で防御の証言をせず、未成年者の性的人身売買を含む5つの罪状で有罪となった。だが、28日の公判では判決の直前に被害者に対して発言を行った。
マクスウェル被告は「ジェフリー・エプスタインがあなた方全員の前にいるべきだった」「つまるところ、これはエプスタインに関するものではない。私が刑を宣告されることになる」と述べた。
マクスウェル被告は有罪評決を受けたことを認めつつも、責任を負う姿勢は見せなかった。「あなた方が経験した痛みを気の毒に思う。私の有罪があなた方に終焉(しゅうえん)をもたらすことを願う」と語った。
検察は禁錮30~55年を求刑し、保護観察部局は20年を勧告した。弁護側は4年3カ月~5年3カ月の刑期を求めていた。
アリソン・ネーサン判事は、量刑ガイドラインでは15年半~19年半になるところ、それよりやや重い刑を宣告した。被害者の憂慮すべき証言や被告の直接かつ度重なる計画への関与を考慮したという。
ネーサン判事は「マクスウェル被告はエプスタイン被告の代わりに罰を受けるのではない。自分が果たした役割で罰を受けるのだ」と述べた。また、被告が責任を認めず悔恨の念を示さなかったことにも言及した。
今回の判決は数十年にわたる国際的な性的人身売買事件で極めて重要な展開となった。この事件では富豪や権力者が自身の行為の結果を回避し、または少なくとも遅らせる実例を示すこととなった。
マクスウェル被告は禁錮刑のほか、5年の監察下の釈放と75万ドルの罰金も言い渡された。弁護士は被告に支払い能力がないと主張している。被告は今後、コネティカット州の刑務所に移送される。
エプスタイン元被告は2008年に州法での買春罪で有罪答弁をした後、19年7月に連邦法上の性的人身売買の罪で起訴された。だが、その1カ月後に拘置所内で自殺した。
マクスウェル被告は20年7月に逮捕された。検察によると、被告は2年分の刑期を服したものと扱われる。
検察は判決を称賛し、証言台に立った被害者に感謝の意を示した。
マクスウェル被告の弁護士は被告が控訴する意向だと述べ、その罪はエプスタイン元被告が負うべきだとの主張を繰り返した。