アジア系女性100回以上殴ったとされる男、ヘイトクライムで訴追 米ニューヨーク州
(CNN) 米検察当局は、ニューヨーク州ヨンカーズで高齢のアジア系女性を100回以上殴り、体を踏みつけたとされる男を、数多くのヘイトクライム(憎悪犯罪)で起訴した。暴行の様子は防犯カメラの映像に映っていたとみられる。
タメル・エスコ被告(42)は、ヘイトクライムとしての第2級殺人未遂、第2級殺人未遂、ヘイトクライムとしての第1級暴行、第1級暴行、ヘイトクライムとしての第2級暴行3件、第2級暴行3件で訴追された。
同被告は19日に訴追のため法廷に召喚されていた。本人は保釈なしで拘束されている。ウェストチェスター郡の地方検事のオフィスが明らかにした。次回の出廷は来月2日の予定。
地元警察が公開した防犯カメラの映像によると、暴行が発生したのは3月11日。フィリピン系の67歳の女性がエスコ被告のそばを歩いて通り過ぎた時に起きた。検察は同被告について、女性に対しアジア系であることを侮辱する言葉を投げかけた直後、襲いかかったとしている。
映像では女性が自宅のアパートの玄関スペースに入り、鍵をドアへ差し込んでいるところへ被告が後から進入。女性の頭部を殴り、床に倒したとみられる。
倒した後でエスコ被告は女性を100回以上にわたって殴打。さらに体を踏みつけて、唾(つば)を吐きかけたと訴状にはある。
検察によると女性は脳出血のほか、顔にいくつも傷を負うなどの被害を受けた。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まって以降、米国では数千人がアジア系を狙った事件の被害者となっている。内容は暴言から身体的な襲撃まで様々だ。
2020年3月19日から22年3月末にかけて、アジア系米国人や太平洋諸島系の人々に対するヘイトクライムの事案1万1500件近くが、アジア太平洋諸島系(AAPI)への差別問題に取り組む団体に報告されている。