トランプ氏、自宅捜索時の監視カメラ映像公開を検討か 側近から促す声も
ワシントン(CNN) 米連邦捜査局(FBI)が先週トランプ前大統領のフロリダ州の自宅「マール・ア・ラーゴ」を家宅捜索した問題で、トランプ氏の側近の一部からFBIの捜査員が捜索を行う様子を捉えた監視カメラの映像を公開するよう本人に求める声が上がっている。CNNが把握したところによると、これに対する同氏周辺の反応は様々だ。
監視カメラの映像は非常に入念に管理されており、側近の間でもトランプ氏自らがその内容を全て確認しているのかどうかはっきりとは分からないという。同氏に近い人物が明らかにした。
同氏の弁護士らを除き、映像は一切共有されていないと思うと、この人物は述べた。
ただ今週、FOXニュースの番組司会者ショーン・ハニティー氏から映像が公開されるのかどうか問われたトランプ氏の息子のエリック氏は、「然るべきときに、間違いなく」公開されると回答した。
トランプ氏の側近や同調者の一部は、同氏に対し映像の一部公開を促している。それにより共和党の支持基盤全体に活力を送ることができるとの見方からだ。こうした議論の内容に詳しい人物は、映像をキャンペーン仕立ての広告として流す話も出ていると説明。政治的迫害を受けているというトランプ氏の主張を裏付ける効果を狙ったものだという。
トランプ氏に近い別の人物は、同氏のチームが何らかの映像を公開するのはすでに時間の問題であり、公開後に自身が大統領選への出馬を表明する可能性もあると指摘する。
一方で、トランプ氏の周囲には映像公開のリスクについて警告する動きもある。トランプ氏に近い2人目の人物は、映像公開が裏目に出る可能性に言及。いかに大量の書類が捜査員によって自宅から押収されたか、人々が視覚的に理解する恐れがあると述べた。これらの押収物の中には、機密指定された文書も含まれている。
このほかトランプ氏は向こう数カ月の間、ただ単に映像公開の影響をちらつかせる行動に出る可能性もある。この場合は政治的な武器として利用するだけで、実際の公開には踏み切らないとみられる。
CNNはFBIと司法省にコメントを求めた。
監視カメラの映像に具体的に何が映っているのかは不明だが、トランプ氏と同氏の弁護士らは今月8日の家宅捜索について、捜査員から監視カメラを切るよう求められた後も捜索の様子を録画したと述べている。事情に詳しい関係者がCNNに明らかにした。
トランプ氏も16日、自身の立ち上げたSNSのプラットフォームで、FBIの捜査員らについて「すべての監視カメラを切るよう要求してきたが、我々は断った!」と書き込んだ。
FBIがいかなるカメラでも捜索の様子を撮影させないように試みることは、機密文書が絡む今回のような捜索では珍しくない。
トランプ氏が現在の法務チームに対して、映像を公開した場合の影響に関する助言を求めたかどうかは不明。経験豊富な複数の弁護士の雇用を模索し、今回受けた捜索への対応に活用しようとしているとの報道もある。