カラフルな着色の合成麻薬フェンタニル流通、狙いは米国の若者

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米国でカラフルな合成麻薬フェンタニルが若者をターゲットに流通しているという/Drug Enforcement Administration

米国でカラフルな合成麻薬フェンタニルが若者をターゲットに流通しているという/Drug Enforcement Administration

(CNN) 米麻薬取締局(DEA)は、カラフルに着色された合成麻薬のフェンタニルが、米国の若者をターゲットとして使用されているとして警戒を促した。

DEAの8月30日の発表によると、今月に入り18州で、着色されたフェンタニルやフェンタニル錠剤が押収された。

カラフルな着色のフェンタニルは、錠剤や粉末、ブロックなどさまざまな形状のものが押収されているという。

特定の色の方が強い作用があるという情報もあるものの、DEAが検査した結果、色による差はないことが分かり、「フェンタニルはどんな色であれ、形状であれ、サイズであれ、極めて危険とみなす必要がある」としている。

フェンタニルはがん患者などの鎮痛薬として使われる合成麻薬で、効果はモルヒネの50~100倍。不正に使用されているのはヘロインのような作用があるためで、少量でも死に至ることがある。

米疾病対策センター(CDC)の統計によると、米国で2022年3月までの1年間に薬物の過剰摂取で死亡した人は10万9000人あまり。フェンタニルなどの合成麻薬が絡む死者はそのうち3分の2以上を占める。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まった当初は半数をわずかに上回る程度だった。

パンデミックが始まってからの2年間で、薬物の過剰摂取による年間の死者は44%増えた。20年3月までの1年間の死者は7万5702人だったのに対し、22年3月までの1年間の死者は10万9247人に増えている。

薬物による子どもの死亡は比較的まれだが、15年~19年にかけ、誤った過剰服用で死亡した10歳前から10代の未成年の損失生存年数(YLL)は総計で20万年に達している。専門家は、パンデミックの間に事態は一層悪化した可能性があると見ている。

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